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袋小路を散歩する

ミーハーなおたくの記録、ときどき映画案内

ブログを書き始めた理由と日本語の原風景

先日、池袋の新文芸坐ホビット三部作一挙上映を観てきたので改めて原作を読み直そうと思い、図書館で「ホビットの冒険」を借りてきた。ホットカーペットの上でごろごろしながら何気なく読み始めたのだが、2ページ目、3ページ目とページをめくるたびになにか強烈な懐かしさのようなものに襲われ、ついにはこの懐かしさについて考えるために、一旦本を読むのを中断せざるを得なかった。

その懐かしさとは何か。遠い時間を超えて急に光りを放ちはじめた何か。胸が締め付けられるような切なさを感じさせるような何か。

ジュンク堂池袋本店*1で購入したオオサンショウウオのぬいぐるみ(全長90cm)を両手両足でがっちりホールドしながらわたしはぐるぐる考えた。頭の中に浮かんできたのは、小学4年生の夏休みに貪るようにして読んだアーサー・ランサム全集や、ミヒャエル・エンデのジム・ボタンの冒険シリーズだった。そこで、はたと気が付いた。この懐かしさはもしや自分の「日本語の原風景」に起因するものではないだろうか。

ここで、「ホビットの冒険」より冒頭部分を少し抜粋してみる。

地面の穴のなかに、ひとりのホビットが住んでいました。穴といっても、ミミズや地虫などがたくさんいる、どぶくさい、じめじめした、きたない穴ではありません。といって味もそっけもない砂の穴でもなく、すわりこんでもよし、ごはんも食べられるところです。なにしろ、ホビットの穴なのです。ということは気持のいい穴にきまっているのです。

ー「ホビットの冒険」J.R.R. トールキン瀬田貞二岩波少年文庫創刊40周年記念特装版 より引用抜粋

 このあたたかく語りかけてくるような言葉たち!丁寧で、茶目っ気があり、あっという間にわたしたちを物語の世界へ引き込んで行くつよい力を持ったこの言葉たち!

 わたしは圧倒された。そしてこんなにすばらしい言葉に触れてきた自分の子供時代をとても愛おしく思うと同時に、ふつふつと文章を書いてみたいという欲求が湧き上がってきた。下手くそでもいい、わたしという人間の中にある何かを文章にのせて公表してみようではないかと。

こういうわけで、わたしはブログを書き始めたのである。

 

ホビットの冒険

ホビットの冒険

 

 

 

アーサー・ランサム全集 全12巻

アーサー・ランサム全集 全12巻

 

 

ジム・ボタンの機関車大旅行 (ジム・ボタンの冒険 (1))

ジム・ボタンの機関車大旅行 (ジム・ボタンの冒険 (1))

 

 

 

*1:ホビット三部作を観たその足で立ち寄った